金森玲奈|ちいさな宝物

サイズ | W240mm × H240mm
製本 | ハードカバー
面質 | サテン
ページ数 | 100ページ
発行年 | 2018
本体価格 | 15,000円(税別)
表紙 | クロスカバー

【 About Book 】
私がさくらと出会ったのは大学四年生の夏。その日は抜けるような青空と、とても暑い日だったのを覚えている。
いつものように駅舎前の公園に行くと顔なじみのおじさんたちが何かを見つめていた。
手渡されたそれは手の中にすっぽりおさまってしまうほどのちいさな子猫だった。
2.3 歩歩いてはすぐ倒れてしまう。鼻は詰まり、毛並みはボサボサ。ガリガリにやせ細り目は吊り上って、
それでも必死に私たちを見つめては声の出ない口を開けて何かを訴えようとしていた。
「生きたい」
彼女はそう言っていたと思う。
それからはただひたすらに食べて眠った。そうして生きる力を掴み取った。
そんなさくらの生きていた証を残したくて、私はただひたすらにシャッターを切った。
たくさんの人たちがさくらを愛し、彼女から多くのしあわせをもらった。
おだやかで、しあわせなこの時間がいつまでも続くと思っていた。

時は過ぎて、さくらと過ごした東京駅前のあの場所は姿を変え、
さくらと見た桜の木も今はもうない。
そしてあんなに鮮明だった思い出も、少しずつ記憶から薄れつつあることに気付く。
それでも、さくらと過ごした時間は私の人生の一部となり、
さくらと呼ばれた一匹の猫の存在が、私にどう生きるべきかを問いかけ続ける。
だからこそ、どんなに記憶が薄れてもこう思える。

さくらは今も私と共に生きていると。

2018 年4 月 金森玲奈

【Profile】
金森玲奈 Reina Kanamori

1979年 東京都生まれ。
東京工芸大学芸術学部写真学科卒業
在学中より都会の片隅に生きる猫の姿をライフワークとして撮影してきた
東京藝術大学附属写真センター勤務等を経て2011年よりフリーランスとして活動を開始
雑誌や書籍等での撮影・執筆の他、カメラメーカー等で写真教室講師を担当
近年は身の回りの何気ない瞬間や国内外の旅先の風景、怪我と障害がきっかけで引き取った
二匹の飼い猫との日々を撮り続けている
デジタルで撮られた写真が主流となった現代にフィルム時代に培ったアナログな写真の楽しみ
方、手に取れる形で写真を残す大切さを伝えるワークショップ『アナログ工房』主宰。

【主な個展・企画展】
2004 個展「ちいさな宝物」/Days Photo Gallery
2006 個展TWELVE(12)PHOTO展「その瞳の見つめる先に」/富士フォトサロン東京・スペース4
2006 個展「街猫-豊かな国の片隅で-」/銀座ミキモト本店ミキモトホール・ミキモト名古屋
2007 個展「幸福な時間の中で」/ギャラリー猫町
2008 個展「ちいさな宝物」/UP FIELD GALLERY
2009 個展「街猫の肖像」/キヤノンギャラリー銀座・キヤノンギャラリー福岡
2012 新宿眼科画廊企画・個展『KI-SE-KI』/新宿眼科画廊
2013 個展「日々を 紡ぐ」/オリンパスギャラリー東京・オリンパスギャラリー大阪
2016 企画展「東日本大震災5年チャリティー写真展」/フレームマンエキシビションサロン銀座
2018 個展「さくら-東京駅で出会ったちいさな宝物-」/Roonee247 Fine Arts
他、個展・企画展多数
 
【受賞歴】    
2001・2002 東京工芸大学フォックスタルボット賞 佳作
2003 東京工芸大学 芸術学部大賞(細江英公 選)
2003 富士フォトサロン新人賞2003 奨励賞
2005 第30回JPS展 入選

●公式ウェブサイト
https://www.kanamorireina.com/

販売価格 16,200円(税込)
購入数


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